家計管理を始めようと考えている人が「家計簿って毎日つけるの大変そうだよなぁ」と最初の一歩が踏み出せないことや、いざ家計簿を始めても挫折してしまうケースは非常に多いです。
私は30代から本格的に家計管理を始めましたが、それ以前にも家計簿をつけていた時期もありました。しかし、クレジットカードの利用明細を確認して日付と金額から何に出費したかを遡って記録することが非常に手間だと感じて2、3ヶ月で辞めてしまった経験があります。
現在では使用しているクレジットカードや銀行口座を集約し家計簿アプリを導入したことで、日々の収支の記録は自動分類機能でほぼ完結させることができるようになりました。
また、家計簿アプリで費目ごとに集計したデータをもとに、支出を「固定費」「変動費」「毎月支出」「非毎月支出」の4つに分類し最適化したことで、毎月の収支を黒字維持し、月10万円以上を投資に回すことができるまでに成長し、家計管理も目標に向かって順調に進められています。
そこでこの記事では、手軽に家計管理ができるようになるおすすめの家計簿アプリの紹介と、家計簿アプリに蓄積した支出データを4つに分類して家計改善する方法をまとめて解説します。
この記事を読めば「家計管理の始め方から家計簿アプリを活用した家計改善の手法」が全てわかります。
(参考URL:家計簿に関する意識調査(株式会社マネーフォワード))

家計管理の目標を明確にして余剰資金の配分方法を決めよう
家計管理を行うにあたり、まずは将来自分がなりたい姿=「目標」を明確にしましょう。

なんで目標を立てる必要があるの?黒字家計になればいいんじゃないの?
目標を明確にしておくことで、毎月いくら黒字にすればいいのか具体的な金額も明確になり改善策が立てやすくなるだけでなく、目標達成に向けて家計改善を継続していこうというモチベーションも形成することができます。

確かに目標が漠然としていると、少しモチベーションが下がった時に「もういいっか」って挫折する可能性も高くなるしね。
目標については、「毎月の支出を15万円に抑える」や「老後のために2,000万円は資産形成したい」などの具体的な数値目標にすると家計改善時に予算が組みやすくなります。
私の場合、家計改善を始めるまでは支出が収入を上回ってしまい赤字になっている(貯金から切り崩している)月が多かったため、以下のように段階を踏んで目標設定を変えていきました。
1.毎月の支出金額を安定させて「収入>支出」を恒常化させる
2.支出金額を手取り収入の8割以内におさめる
3.60歳から「年金 + 資産運用 + 4%取り崩し」でも生活できるよう金融資産3,000万円を目指す
※毎月支出金額=20万円、取り崩し金額=約10万円/月想定

今の生活を豊かにしたいのか、将来の不安を解消したいのかは人それぞれなので、自分がどういう思いで家計管理を始めたくなったかを深掘りしながら目標設定してみよう!
※ここからは目標を明確にする理由を説明するために少しだけ簿記のお話…
国や地方自治体、会社などあらゆる組織では、次の式で一定期間の経営状況を把握・管理しています(損益計算書のお話)。
収益 ➖ 費用 = 当期純利益
これを家計に当てはめると次の式で考えられます。
収入 ➖ 支出 = 余剰資金
会社では当期純利益をさらに株主への配当や企業の内部留保へ分配することとなりますが、家計の場合、作り出された余剰資金を貯金や株式などの「投資」に分配するか、欲しいものの購入や旅行などの贅沢といった「浪費」に分配するかに分かれます。
余剰資金 ⇨ 投資 ➕ 浪費
この余剰資金こそが最初に明確にした「目標」を達成するための「資金源」であり、余剰資金の分配方法が目標達成のための「手段」となります。

目標がなければそれを達成する手段も考えられないってことだね!
そして家計の収支を管理できるようになったその先、余剰資金をどう分配していくかを考えることが家計管理の「真の目的」と私は考えています。

家計管理の真の目的を明確にするためにも、自分の目標をしっかり考えてみよう!
家計簿を始める=家計を「見える化」する第一歩
1.クレジットカードを集約して支出を洗い出すことができるようになった
2.家計管理の目標を設定した
上記2つのことが完了したら次のステップとして「家計簿アプリ」を始めましょう。
※「1.クレジットカードを集約して支出を洗い出すことができるようになった」については前回のこちらの記事を参考にしてください。
家計簿をつけられるようになれば、家計の「見える化」の第一歩を踏み出すことができます。

でも家計簿ってつけるのがとても面倒で大変じゃないの?

実は家計簿をつけるめんどくささや大変さをなくすために、第一ステップでクレジットカードを集約したんだよ!
以前は手書きの家計簿や独自にExcelなどで家計簿を作成している人が多かったですが、今はアプリで簡単に作成できる便利な世の中です。
今回紹介する家計簿アプリは、私も実際に使用していて使い勝手が抜群でおすすめの「Money Forward ME」です。

Money Forward MEは、所有している銀行口座やクレジットカード、証券口座を連携させることでデータを自動的に取り込み、収支をカテゴリ別に自動分類してくれる家計簿アプリです。
カテゴリ分類の精度もとても高く、取り込まれたデータの修正の手間が少ないのも特徴です。
アプリ使用開始から間もない頃は分類結果を修正することもありますが、一度修正すれば「次回以降取り込みデータの内容に含まれる文言から、前回修正した内容で分類」してくれる学習機能もあります。
(参考URL:Money Forward ME「家計簿はどのようにして自動分類を行うのですか」
https://support.me.moneyforward.com/hc/ja/articles/900003501426-家計簿はどのようにして自動分類を行うのですか
Money Forward MEには無料版と有料版があり、以下のような違いがあります。
連携可能な 口座・金融機関 | データ閲覧可能 期間 | 資産内訳 推移グラフ | 連携データ 一括更新 | |
無料版 | 制限あり(4つまで) | 1年分 | 非対応 | 非対応 |
有料版 (スタンダード) | 無制限 | 無制限 | 対応 | 対応 |
(参考抜粋URL:Money Forward ME「プレミアム機能比較表」https://moneyforward.com/pages/premium_features)

証券口座の連携については始めのうちは連携しないことをおすすめします。

なんで?証券口座のお金も資産だから自分の総資産がわかったほうがいいんじゃないの?

投資商品の値動きによる資産残高の上下が激しくなってしまい、家計改善による資産増加を実感しにくくなるんです!
※証券口座を含む総資産残高も確認したいという方は、証券口座もMoney Forward MEに連携させたうえ、グループ設定機能で①証券口座残高を含むグループ と ②含まないグループ を作っておき、基本設定を②にしておくことをおすすめします。
Money Forward MEの使い方はとても簡単で次の3ステップで完了します!
① アプリのダウンロード
② 「口座」タブの右上「➕追加」ボタンで連携したい銀行口座、クレジットカード、証券口座情報をタップor入力
③ 各種サービスの専用ページに遷移するので、ログインまたは連携許可を行う
(連携に数分間要する場合がありますが、更新中の矢印マークが消えて金額が表示されれば連携完了となります。)

たった3ステップだけで家計簿を始められるなら、めんどくさがり屋な僕でもできそうだよ!
各種サービスとの連携が完了したら、自分の家計管理目標達成に向けた「予算組み」という今後のステップをスムーズに行えるよう、まずは家計簿開始から3ヶ月分程度のデータを蓄積していきましょう。

最初の一ヶ月分だけのデータで分析しようとすると、たまたま支出が多いor少ない月の可能性もあるからね!
3ヶ月分のデータの平均値を現在の自分の大体の家計とすることで、データの大きなブレも少なくなり分析もしやすくなります。

まずは家計簿アプリを始めて、毎月の費目ごとの支出金額を把握して現状を理解することから始めてみるよ!
支出を「固定費」「変動費」「毎月支出」「非毎月支出」に分類して管理する
家計簿アプリのデータが蓄積できたら、支出を「固定費」「変動費」「毎月支出」「非毎月支出」の4つに分類して自分の支出改善点を分析しましょう。

家計簿をつけてるのになんで4つに分類までしなくちゃいけないの?

支出を4分類することで、自分がどのタイプの支出を改善していく必要があるのかが明確になるからだよ!
家計簿アプリでは食費や日用品費など、毎月の費目別の支出額を確認することはできますが、「各支出が月単位の短期で改善すべきなのか年単位の長期で改善すべきなのか」が把握しにくい部分もあります。
家計改善を始めて間もない頃は、短期で重点的に改善して結果がすぐに見える分類から取り組んでいくとモチベーション維持にも繋がるので、支出を4つに分類することをおすすめします!
支出の分類方法
固定費と変動費については、支出を「金額」で分類するもので、その支出が「毎回同じ金額かどうか」で分類します。
毎月支出と非毎月支出については、支出を「頻度」で分類するもので、「毎月発生する支出かどうか」で分類します。
分類表の一例は以下のとおりなので作成の参考にしてみてください。
毎月支出 | 非毎月支出 | |
固定費 | 家賃、駐車場、通信費、月払保険料、美容院代、サブスク費など | 自動車税、年会費、年払保険料など |
変動費 | 食費、水道光熱費、日用品費、など | 趣味・娯楽費、交際費、臨時支出費(家電買替や医療費など) |
この表のうち、左側は毎月必ず発生する「必須生活費」に当たる支出であり、家計改善を行うことで最短で翌月以降など短期で結果が現れる分類になります。
特に左上の「毎月支出・固定費」に当てはまる支出項目については、一度見直しをしてしまえばそれ以降はその支出を意識しなくても家計に良い影響を与え続けてくれるので率先して改善していきたい分類となります。

短期で家計改善への効果を期待するなら、まずは見直していきたい最重要分類だね!
また、表の右側は毎月発生する支出ではないため、見直しをしてもすぐに結果が見えにくい支出であることが多いです。
しかし、一度の支出金額額が大きい傾向もあるため、年間の合計支出金額を抑えられるという効果が期待できる分類となります。

右側の2分類については1年を通した長期的な視点で見ることが大切になるね!
支出の4分類を「改善結果が体感できるようになる期間(長期・短期)」と「改善後も意識して取り組む必要があるかどうか(無意識でも効果継続・意識して取り組む必要あり)」に置き換えた表が以下のとおりです。
短期(毎月支出) | 長期(非毎月支出) | |
無意識(固定費) | 短期・無意識 | 長期・無意識 |
意識(変動費) | 短期・意識 | 長期・意識 |

自分が改善しようとしている支出の特徴もしっかり理解しておけば改善後の家計をイメージしやすくなるね!
参考:各世帯の支出金額の内訳(全国平均)
参考までに、統計上の各世帯の支出金額を見てみると、総世帯(平均世帯人員2.17人)の消費支出は1世帯あたり平均で250,929円/月、単身世帯の消費支出は平均で169,547円/月となっています。(参考引用URL:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2024.pdf)
平均支出金額の主な内訳を見てみると以下のとおりとなっています。
総世帯 | 単身世帯 | |
食料 | 74,187円 | 48,204円 |
住居 | 20,077円 | 23,373円 |
光熱・水道 | 19,229円 | 12,817円 |
教養・娯楽 | 26,520円 | 20,375円 |

僕は賃貸物件に住んでいるんだけど、統計値の住居費がかなり低くない?
統計資料の詳細を確認すると、総世帯の世帯主平均年齢が59.8歳、単身世帯平均年齢が58.7歳であり、その年齢階級である50~59歳の持ち家率を見ると85.2%という結果となっています。
このことから、毎月の住居費は持ち家により支出額が抑えられていると考えられます。

賃貸物件に住んでいる場合は、住居費が差額分上乗せされることになるから世帯平均よりも高くなることも考慮した方が良さそうだね!
一ヶ月あたりの支出金額の目安がわからない方や支出金額の目標が定まらない方は、全国平均の数値を参考に考えてみましょう。
【まとめ】家計簿アプリと支出の4分類で家計改善をしよう
今回はこれから本気で家計管理をしていこうと考えている人向けに、家計簿アプリのおすすめからデータの活用方法を解説しました。
1.家計管理を始める前に「目標」を明確しよう
2.家計簿アプリ「Money Forward ME」を導入して自動で支出データ読み込み&費目の分類をしてもらおう
3.支出を4つに分類して長期・短期目線それぞれで家計改善を進めよう
現在の家計を自分の目標に近づけたいと考えている人は、ぜひ家計簿アプリの導入を検討してみてください!
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